ジャーナル原稿の掲載をスピードアップする12の秘訣

論文掲載にかかる時間を短縮したいと思ったことはありませんか?この記事では論文掲載をスピードアップするための秘訣をご紹介します。詳細は本文をお読みください。

最終更新日:2013年1月5日

researcher at a computer to accelerate her manuscript publication

研究には緻密な設計や最適化、実験の反復などが要求されるため、どうしても時間がかかるものです。だからこそ論文を執筆するために十分なデータが揃ったら、いち早く原稿を投稿したいと思うのは研究者として当然でしょう。

論文が迅速に学術ジャーナルに掲載されれば研究成果を直ちに周知することができるため、他の研究者の発表に先を越されてしまう可能性が下がるほか、素早く次の研究に取り掛かることができるというメリットもあります。

そこで,今回ご紹介するのは実験中の方にも執筆中の方にも役立つ、論文掲載をスピードアップする12の秘訣です。

1. 図表の作成

カギとなる実験については論文投稿を念頭に置き、対照実験を含め適切な設計を心掛けることで、発表に値する十分なデータを得るために何度も再実験する手間を省くことができます。また、図表の作成には早めに取り組むべきでしょう。というのも、データの収集から数週間・数ヶ月経ってからこの作業を行うのは煩わしい上、余計な時間がかかるおそれもあるからです。

AJEの 学術用イラストサービスでは図表フォーマットの提供やオーダーメイドのイラスト作成を承っており、時間に追われる執筆者の方にはとくに役立つはずです。

2. 早めに書き始める

たとえ一連の実験すべてが終わっていなくとも、論文を書き進めることはできます。通常、先行研究にもとづいて書かれる背景や序論は論文の下書きに最適ですし、実験材料や方法に関する章も手順を忘れないうちに執筆することで原稿の準備がはかどるはずです。

3. 明確な文章を心掛ける

きちんと設計された研究に基づいて有意義な成果が得られたとしても、不明瞭な文章が足枷になってしまうこともあります。具体的には、文章力に乏しい原稿の内容理解に編集者や査読者がてこずってしまい、ネガティブな先入観を抱くことで原稿がリジェクトされる可能性が高まってしまうわけです。これは執筆者が英語ネイティブでない場合にとりわけ大きな課題となります。

原稿の執筆にあたっては同僚に協力してもらったりAJEの執筆者向けリソースセンターにある編集上の秘訣を参照したり、AJEの英文校正サービスあるいは学術翻訳サービスをご利用になるのもお勧めです。

4. 文献管理ソフトの利用

重要な参考文献を整理するのに役立つ文献管理ソフトを利用すれば、一度読んだ論文を再度探す手間を省くことができます。さらに、原稿執筆の際には投稿先の学術ジャーナルの規定に応じて自動的に引用形式を整えてくれるほか、引用文の追加・削除に合わせて参考文献一覧をアップデートしてくれるため、大幅に時間を節約することができます。このようなソフトにはZoteroのように無料で利用することができるものもあります。

5. いつ投稿するのか決める

すでに十分なデータが揃ってはいるものの実験を続けているという場合には、2つの論文に分けて発表できないか検討しましょう。こうすることで前半部分の発表を早めることができ、場合によっては後半部分の研究が終わる前に成果の一部を世に出すことができるかもしれません。

6. プレ査読サービスを利用する

「Peerage of Science」や「Axios」など,ジャーナル投稿前の原稿を査読してくれるサービスを利用すれば論文掲載までの時間をさらに短縮することができるでしょう。また、当社の無料のディベロップメンタル・エディティング用校正テンプレートを利用しつつ、あなたの論文の妥当性について同僚の研究者たちからフィードバックをもらうのもよいでしょう。このようなフィードバックを投稿前にもらうことで、ジャーナル査読者からの反論を事前に予測し避けることができるわけです。

7. 適切な学術誌を選ぶ

ジャーナルに掲載される確率を上げるためにも、あなたの研究対象に合致する分野の学術誌を選ぶようにしなくてはなりません。そのためには同僚と相談したり、ご自身の論文の参考文献リストをチェックしたり、ジャーナルのウェブサイトで最近掲載された論文の一覧に目を通したりするとよいでしょう。また,投稿から査読完了までの時間短縮に取り組んでいる学術誌や出版社(Elsevierなど)を検討するのも一つの手です。「査読付き論文の掲載迅速化を目指す」という触れ込みの『PeerJ』や『PLOS ONE』といったオープンアクセス・ジャーナルは、研究の新奇性や意義を重視する傾向にあり、スピーディーな論文掲載に一役買ってくれるかもしれません。

8. 学術誌へ問い合わせる

投稿前の問い合わせとは、ジャーナル編集部があなたの原稿にどの程度関心を持っているかを推し量るため当該のジャーナル宛てに送付するものです。これによって投稿・査読の全プロセスを経ずとも、あなたの論文がそのジャーナルに合っているかどうか素早く判断することができるわけです。投稿前の問い合わせに必要となる内容は学術誌によって異なります。たとえば、『Current Biology』の場合は論文概要を添付することになっています。

PLOS Medicine』など、投稿前の問い合わせが必須の学術誌もあるので注意しましょう。

9. ガイドラインを守る

掲載がいたずらに遅れてしまうのを避けるため、カバーレターから本文、参考文献、図表、補足資料に至るまで、投稿先ジャーナルのガイドライン(投稿規定)に注意深く従うようにしましょう。AJEの原稿フォーマットサービスならこのようなガイドライン遵守もカンタンです。

10. 説得力のあるカバーレターを心掛ける

投稿原稿に添付するカバーレターは、学術ジャーナルに対してあなたの研究の重要性を強調し、主な成果を提示する場です。適切なジャーナルに説得力のあるカバーレターを送付することによって編集者を納得させることができれば、原稿を直ちに査読に回してもらえる可能性もあるわけです。

11. ジャーナルの査読状況をチェック

ジャーナルに論文原稿を投稿したものの査読結果が中々知らされない場合、編集部に現状を問い合わせたくなるものです。投稿から査読完了までに通常かかる時間は学術誌や分野ごとに異なります。しかし、同僚の研究者に相談したりジャーナルのウェブサイトを確認したりすれば、あなたの論文の査読に通常より時間がかかっているかどうか判断することができるでしょう。

12. 査読者に説得力のある回答をする

編集者や査読者に綿密かつ明確で丁寧な回答をすればリジェクトや再査読の可能性が下がり、時間短縮につなげることができます。

現在どのような研究段階・執筆段階にあるにせよ、ここでご紹介した12の秘訣は論文掲載のスピードアップに役立つはずです。AJEでは、英文校正サービスのほか、図表のフォーマット調整学術翻訳など、包括的な執筆者支援のサービスを提供しています。AJEのサービスに関してご質問やご意見がございましたら、当社のサポートチームにご連絡ください。あなたの研究が順調に進展することを願っております。

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