ジャーナル投稿のコストを抑える5つの方法

質の高い研究はコストがかかるものですが、高額のジャーナル掲載料など想定外の費用が発生して負担しきれなくなってしまうのは非常に残念です。そこで、今回はジャーナル投稿のコストを抑える方法を5つご紹介します。

最終更新日:2020年3月7日

cartoon piggy bank in a maze to illustrate different choices for meeting publication costs

1. 助成金を利用する

あなたが所属する研究機関や大学図書館、大学ファンドに問い合わせを行い、論文掲載料を支援してもらうことができないかチェックしましょう。Springer Natureが提供する無料オープンアクセス・サポートでは、論文掲載料(APC)や出版費用の支援を行っているファンディングエージェンシーを検索し、応募することができます。

論文掲載にかかるコストを負担してくれるファンディングエージェンシーが見つからない発展途上国の研究者の場合は、出版社に掲載料を免除してもらえないかどうか問い合わせるとよいでしょう。免除までは行かなくとも、より低額でリーズナブルな掲載料を提示してもらえることもあります。

また、研究機関によっては特定の企業とパートナーシップを結び、割引価格での論文掲載を行っていることもあります。たとえばAJEの場合、あなたの所属する研究機関とのパートナー提携によって、翻訳や英文校正をはじめとする各種サービスを一括割引の価格でご利用いただけるようになります。

2. 共同研究に参加する

他の研究機関に所属する研究者との共同研究は創造力や能率を高め作業を活性化してくれるばかりか、コスト削減にも役立ちます。また,論文掲載にかかる費用を負担し合うことで、よりインパクトファクターの高いゴールドOAの学術誌に投稿することもできるでしょう。国際的な共同研究を希望される方はこちらの国際的な共同研究をサポートしている学術ファンディングエージェンシー37社に関する記事を参照ください。

3. ページ数や図、グラフの数を増やし過ぎない

簡潔な論文を心掛けることもコストを抑える上で役立ちます。不要な語彙や文章あるいは段落をカットしてページ数を減らすよう検討してみてください。語数を減らす上では、能動態を使って主語から書き始め、無駄のない文章を作るのがお勧めです。たとえば、” It was observed that the time for the reaction to complete was 15 min (反応が完了するまでにかかる時間は15分であることが確かめられた)”の代わりに”The reaction time was 15 min (反応時間は15分だった)”とするわけです。

また、図の数を減らすのも一つの方法です。可能であれば複数のグラフをひとまとめにしましょう。さらに、白黒で構わないグラフや図を多色にするのは避けるべきです。もちろん、それによってデータが損なわれてしまう場合はこの限りではありません。

4. 投稿先ジャーナルを賢く選ぶ

論文掲載料はジャーナルによって100ドル程度から5,000ドル以上までと大幅に異なります。掲載料を払うのに抵抗があるという方は、購読型ジャーナルならこのような支払いを求められることはありません。しかし、この「掲載料ゼロ」には代償があります。あなたの論文にアクセスできるのはジャーナルに購読料を支払った読者に限られてしまう上、著作権を出版社側に譲渡しなくてはならないのです。

論文をより多数の読者に読んでもらうには、オープンアクセス・ジャーナルに投稿する(ゴールドOAと呼ばれる)方法と、自前のオープンアクセス・リポジトリにプレプリント版を公開する(グリーンOAあるいはセルフアーカイブと呼ばれる)方法の2種類があります。ゴールドOAとして投稿された論文は、掲載直後から出版社のウェブサイト上で自由に読めるようになります。また、購読型ジャーナルの中には論文掲載料を支払うことでゴールドOAとして投稿することができるものもあります(ハイブリッド・ジャーナル)。これに関してはSpringer Natureのように各出版社がハイブリッド・ジャーナルの一覧を公開しているので参考にするとよいでしょう。

完全なオープンアクセス・ジャーナル(ゴールドOA)に投稿する場合には、オープンアクセス・ジャーナルのディレクトリを参照し、よりリーズナブルな学術誌を探すことでコストダウンを図るのがお勧めです。一方、グリーンOAとして投稿する場合,論文は出版社のウェブサイトではなくリポジトリ上で公開されますが、多くの場合エンバーゴ期間が課されることになります。

5. セルフアーカイブ

セルフアーカイブ(グリーンOA)とは査読前論文のプレプリント版をアップロードすることです。このようなサービスは数多くありますが、一例としてはResearch Squareのプレプリント・プラットフォームが挙げられます。

プレプリント・サーバーにセルフアーカイブする場合の利点として、以下の点が挙げられます。

  • クレジット:アーカイブされた論文は学術プラットフォーム上に恒久的に保存され、固有のDOIが付与される。
  • トラッキング:論文の状態をリアルタイムで確認することができる。
  • フィードバック:他の研究者たちの目に留まりやすいためコメントをもらえることが多く、共同研究の提案をしてもらえることもある。
  • 目に留まりやすい:プレプリントを読んだ読者は、あなたのジャーナル掲載論文にも興味をもってくれる。

ただし、ジャーナルによってセルフアーカイブに関するポリシーは異なるので確認の上、適切なものを選ぶようにしましょう。AJEでは、英文校正サービス科学論文校閲のほか、図表のフォーマット調整学術翻訳など、包括的な執筆者支援のサービスを提供しています。AJEのサービスに関してご質問やご意見がございましたら、当社のサポートチームにご連絡ください。あなたの研究が順調に進展することを願っております。

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